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【ドイツ】議会、自動運転のレベル4走行に関する政令を承認

ドイツ連邦参議院(上院)が、「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」を承認したようですね。

これにより、ドイツは自動運転のレベル4走行に関する法的枠組を構築した世界初の国家となります。ただ色々と条件付きのようで、この条件を読んでいて納得する部分が多かったです(以下で和訳しています)

ちなみに日本でも、今年の4月に自動運転レベル4(高度運転自動化)を解禁する道路交通法の改正案が国会で成立しました。本年度中にレベル4が解禁される見通しのようですね。

自動運転

(ニュース本文)

連邦参議院、自律走行車の承認に道筋をつける
ドイツでは、まもなく自律走行機能を搭載した自動車の登録が可能になります。連邦各州は2022年5月20日連邦参議院本会議で「自動運転・自律走行機能付き自動車の運転規制と道路交通規則の改正に関する条例」を承認しました。しかし、その承認にはいくつかの修正要件が課されました。

既に施行されている法的根拠
道路交通法及び強制保険法の一部を改正する法律-自律走行法-により、自律走行に関する法的枠組みが2021年7月に施行されています。

細則による法の施行
特に手続き的な規定と技術的な要件を詳細に規定する法定条例の制定を可能にする規制がなければ、この法律はまだ実際に実施することはできません。

連邦内閣の改正要件
この条例は、連邦政府連邦参議院の要求する修正を実施した場合にのみ発効します。

  • 事業領域の具体化
  • 交通標識の認識
    • 自律走行機能を持つ車両は、運転区域内の既存の交通標識や施設を全て認識し、それらを速度や走行プロセスに考慮する必要がある。また発生する変更にも対応できるようにする必要がある
  • 道路交通規則との関係を明確化
    • 例えば配送ロボットが歩道を走行する場合等、どの程度を法の適用除外とするかを決める必要がある
  • 運送会社のコスト
    • 自律走行機能を持つ自動車の認可には、数百万円の費用がかかる可能性がある。特に中小の運送会社に対して適切な財政支援を通じて、これらの地域で自律走行機能付き車両の定期運行を促進することができるかどうかを検討する必要がある
  • アルコール依存症による危険性
    • いわゆる技術監督者が酩酊したり、麻薬の影響を受けたりして交通事故を起こすのを防ぐために、法的規制のあり方を検討する必要がある

次のステップ
改正要件を実施すれば、条例は公布の翌日から予定通り発効することができます。

 

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