海外デジタル政策ログ

海外のデジタル政策を気まぐれに観察するブログです。

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EUがAI事務局を設置 ほか

主に2024/5/26~6/19に目を付けた海外デジタル政策をまとめました。

 

目次

 

EU

AI事務局を設置

EU AIオフィスの組織構成

 

 データ保護監察機関(EDPS)、生成AIガイドラインを公表

 

デンマーク

国内大企業向けに実施したデータ倫理の調査分析に生成AIを活用
  • 2024/6/11 Ny analyse af dataetik i store danske virksomheder er lavet med kunstig intelligens
  • デンマークの大企業は、年次報告書でデータ倫理についての報告が義務化されている。内容は、どのように、どの頻度でデータが使用されるか、またその過程で公民権や社会的価値観がきちんと考慮されているか、など。
  • 今回、2022 年と 2023 年の合計 3,673 件の年次報告書が生成AIにより精査された。その後、ランダムに100の年次報告書に対する手動でのサンプルチェックにより妥当性が検証された。

 

米国

NIST、AIの社会的リスクと影響の評価プログラムを開始

 

初の国家ロボット戦略を発表
  • 2024/5/28 New strategy to build Australia’s robotics future
  • 目的は、ロボットと自動化による製造力強化、また労働力不足の解消。ロボットを取り巻くエコシステムの拡大のため、国家の能力、人材採用、責任ある開発と使用、スキルと多様性の4つのテーマを掲げている。また、業界への支援として、国家復興基金や産業成長プログラムなども実施する。

 

OECD

人材雇用プロセスにおけるAIの活用に関する論文を発表
  • 2024/6/13 A new dawn for public employment services
  • 求職者と求人のマッチング、求職戦略立案、求人広告設計など、人材雇用のさまざまなプロセスでAIが活用されている。こうしたAIの活用に際するリスクを軽減するための考慮事項が、本論文では検討されている。
  • 考慮事項として、AIアルゴリズムの透明性と説明可能性を優先すること、ガバナンスフレームワークを確立すること、開発・導入プロセスにエンドユーザーの確認が取り入れられていること、リスク監視と評価に取り組まれていること、などが示されている。

 

公共部門におけるAIの開発から展開において検討すべき政策課題を示した論文を発表
  • 2024/6/13 Governing with Artificial Intelligence
  • 公共部門でのAIの使用に関連する利点とリスク、公共部門でのAI活用により生産性と説明責任を向上させる方法を概説。また、主要な政策上の課題の概要を示し、OECD諸国がどのように取り組んでいるかの例が示されている。

 

政策立案者向けに暗号技術の主要概念を解説した論文を公表

 

G7

共同声明で、各国のAIガバナンスの相互運用性の強化に向け認識を一致
  • 2024/6/14 G7 Apulia Leaders’ Communiqué
  • AIガバナンスの統制に向けたアプローチや政策が各国で異なる可能性を受け、確実性、透明性、説明責任を高めるための努力を強化するとのこと。
  • このほか、労働や雇用におけるAIの利活用に関する行動計画を各国が制定する必要性、国際行動規範に則りAIの開発に取り組む組織のブランド化なども今後実施していく旨などが述べられている。