主に2024/3/16~3/31で目を付けた海外デジタル政策をまとめました。
目次
米国
政府のAI活用におけるガバナンス・イノベーション・リスク管理を推進する政策をOMBが公表
- Office of Management and Budget(OMB;行政管理予算庁)
- 2024/3/28 news FACT SHEET: Vice President Harris Announces OMB Policy to Advance Governance, Innovation, and Risk Management in Federal Agencies’ Use of Artificial Intelligence
- これは、AIに関する大統領令の中核の実現に向け、AIのリスク軽減・機会活用のための政策をOMBとして初めて定めたものです。米国で2023年に公表されたAI権利章典の青写真、NISTのAI RMFにも基づいていることから、AIの安全な使用に関する模範を示したものとしています。
- 本政策では、以下の点に関する具体的な行動を指示しています:
- リスク対処、透明性拡大、責任あるイノベーション推進、人材育成、ガバナンス強化
- 本政策ともに、政府はAIの責任ある使用促進に向けた追加の措置も公表しています。たとえば、政府の責任あるAI調達に関するRFIの発行、2024年夏までの100人のAI専門家の雇用など。
中国
越境データの流通促進と規制に関する条例をサイバースペース局が公表
- 中央网络安全和信息化委员会办公室(国家インターネット情報弁公室)
- 2024/3/22 news 国家互联网信息办公室公布《促进和规范数据跨境流动规定》
- 本条例は、中国サイバーセキュリティ法とデータセキュリティ法のもと、秩序ある越境データの流通促進に向け定められました。以下は規定されている主な内容の例です:
- 重要データの輸出安全評価に関する報告基準:重要度が高いと公表されていないデータについては、輸出にあたる申告は不要としている
- 輸出契約が不要なデータの条件:個人情報以外のデータ、個人が当事者となる契約締結のために海外へ提供する必要のあるデータ、法に基づく労働契約のもと海外に提供する必要のある個人データ、など
- 個人情報や重要データの輸出元が重要情報インフラ事業者である場合、そうでない場合それぞれにおける輸出行為の要件
国連
AIの安全性・信頼性に関する決議を採択
- United Nations
- 2024/3/21 press General Assembly Adopts Landmark Resolution on Steering Artificial Intelligence towards Global Good, Faster Realization of Sustainable Development
- A/78/L.49 Seizing the opportunities of safe, secure and trustworthy artificial
intelligence systems for sustainable develop - 国連総会において初めてのAIに関する決議です。米国が提案し、中国ほか121ヵ国が共同提案国に加わりました。
- AIの開発・利用の軸に平和と人権の保護を据え、機会とリスクへの対応に関する包括的なビジョン、国際協力の道筋などが明示されています。