丸の内OLの気まぐれGovTech日記

国内外のデジタル政策や事例を気まぐれに投稿するブログです。

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【イギリス】サイバーセキュリティに関する規則を改定

イギリスがサイバーセキュリティに関する規則(NIS; Network and Information Systems)を改定したようですね。

昨今サイバー攻撃が増加していることを受け、IT事業者をサイバー規制の対象として追加するのが主な改定点のようです。本改定によってセキュリティ基準が強化され、申告なインシデントの報告が減少すると共に、攻撃によって混乱が生じるリスクも減少が見込める、ということです。

(press一部和訳)

政府、ますます巧妙かつ頻繁になっていくサイバー攻撃から重要なデジタルサービスを保護するために、ネットワークおよび情報システム(NIS)規制が強化されることを確認しました。

本規則は元々、重要なサービスを提供する企業のサイバーセキュリティを向上させるため、2018年に施行されたものです。しかし、マネージドサービスプロバイダー(MSP)を標的とした様々な著名な攻撃を受けたことを受け、英国のサイバーセキュリティをより強化する必要が出てきました。

英国はEUから離脱したため、EUNIS指令に由来するNIS規制を変更することができ、国内のサイバーセキュリティのニーズにより適合するように更新することが可能です。

改定後は、英国経済を維持する必須サービスの機能に重要な役割を果たすMSPが、デジタルサプライチェーンを安全に保つための規制の範囲に含まれることになります。これにより、インフラサービスを敵対国家により停止させづらくなることが期待されます。

その他の変更点としては、規制当局へのサイバーインシデント報告の改善を義務付けることです。これにより、リスクが生じたインシデントをより広範囲に通知することができます。

NIS規制の更新は議会の時間が許す限りすぐに行われ、エネルギー会社やNHSなどの重要なサービスプロバイダーや、クラウドコンピューティングやオンライン検索エンジンのプロバイダーなどの重要なデジタルサービスにも適用される予定です。

 

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【EU】ドローン戦略を採択

欧州委員会(EC)が、ドローン戦略2.0(European Drone Strategy 2.0)を採択したようですね。

本戦略は、EUとして今後どのようにドローンを発展させていくか、またその為にどのような策を打っていくか等を取りまとめたものです。また以前公開した所謂「モビリティ戦略」(Sustainable and Smart Mobility Strategy)にて、2022年末までに最新のドローン戦略を作成することが明記されていたことを受けたものです。

(press一部和訳)

本戦略は、EUのドローン市場をさらに発展させるためのビジョンを示したものです。

EUにおいて、2023年1月にはドローンの交通管理システム「U-space」が導入される予定で、これにより運用拡大のための基盤が整うことになります。欧州委員会としては、このように画期的な技術を推進する前に社会実装に向けた課題(音、安全性、プライバシー等)に対処し、ドローンの活用が市民のニーズに沿った形で進められるように求めています。

本戦略では、2030年までに次の活用方法を想定しています:

  • 緊急用途(医薬品)等
  • エアタクシー※導入時はパイロットが搭乗するが、最終的には自動運転

上記の実現のためには、AIやロボティクス、半導体等の個々の技術についても深めていく必要があります。

その他にも運用面、技術面、費用面で必要となる19のアクションを開始する予定です(4つのカテゴリに分けたものが以下)。

  • 耐空性に関する共通規則の採用。遠隔操縦機とeVTOL(有人電動垂直離着陸機)のパイロットの新たな訓練要件の採用。
  • 持続可能なエアーモビリティを実現する地域のステークホルダ及び産業を支援するオンラインプラットフォームの作成への資金提供。
  • 戦略的ドローン技術ロードマップの作成。研究とイノベーションの優先分野を特定、既存の戦略への依存を減らし、新たな依存が生じることを回避
  • サイバーセキュリティの観点で適性なドローンの基準の定義

 

ちなみに日本でのドローンの動向としては、最近レベル4飛行が承認されたことはご存じかと思います(レベル4飛行のポータルサイトを発見しました)。

あと内閣府が「空の産業革命に向けたドローン2022」を公開していますね。

 

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【EU】デジタルサービス法が発効

欧州委員会(EC)が、デジタルサービス法(DSA;Digital Service Act)を発効したようですね。

本法はEU域内での、オンライン仲介サービス提供事業者(ソーシャルメディア等)を規制する枠組みで、サービスの透明性を確保することでユーザを保護することが目的のようです。

デジタルサービス法 DSA オンラインプラットフォーム

(summary一部和訳)

  • デジタルサービス法の主な目標
    • オンラインにおける消費者とその基本的権利の保護を強化する
    • オンライン・プラットフォームに対する強力な透明性と明確な説明責任の枠組みを確立する
    • 単一市場内でのイノベーション、成長、競争力を促進する
      • 市民向けの目標
        • 基本的権利のより良い保護、より多くの選択肢・低価格でのサービス提供、違法コンテンツからの防御
      • 事業者向けの目標
        • 法的確実性・ルールの調和、EUでのスタートアップとスケールアップがしやすくなる
      • 法人ユーザ向けの目標
        • より多くの選択肢・低価格でのサービス提供,プラットフォームを通じたEU全域の市場へのアクセス、違法コンテンツのプロバイダに対する公平な競争環境の提供
      • 社会全体向けの目標
        • プラットフォームに対するより大きな民主的統制と監視、操作や偽情報などのシステミックリスクの軽減
  • 対象事業者
    • ネットワークインフラを提供する仲介サービス
    • ホスティングサービス
    • 売り手と消費者を結びつけるオンラインプラットフォーム
    • 非常に大規模なオンラインプラットフォーム

 

また今後、本法を体系的取組みとして推進するために、市場の監督的役割を担う組織(ECAT;European Centre for Algorithmic Transparency)を設立する予定とのことです。

以前集まったパブコメとそれに対する回答はこちらです。

 

本法に関する詳しい内容は総務省プラットフォームサービスに関する研究会の資料にも掲載があります。

またデジタルサービス法と並び、デジタル市場法(DMA)も11/1に発効されています。これはEUデジタル市場の公平性や開放性を損なう行為を規制することで、EU内の企業にイノベーションを促し、市場全体の競争力強化を目指すためのものです。

 

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【EU】デジタルリテラシーに関する教育時における、教育者向けのガイドラインを公開

欧州委員会(EC)が、デジタルリテラシーに関する教育時における、教育者向けのガイドラインを公開したようですね。教員のリテラシー教育ではなく、教員が教室で生徒に教える際のガイドラインということです。

この中には、専門的な概念の定義、授業での演習方法、健全なオンライン習慣の奨励方法等が含まれています。またコンテンツは、デジタルリテラシーの構築、偽情報への対処、デジタルリテラシーの評価と査定という3つの主要なトピックを扱っています。

現在ヨーロッパでは、13歳の生徒の3人に1人が基本的なデジタル技術を身につけておらず、OECDによると15歳の生徒の半数程度のみ情報の主観性や偏向性の見分け方を教わったと回答したそうです。そのため、メディアリテラシーだけでなくデジタルリテラシーに関する教育・訓練を強化する取組を開始したということです。

これは「子供のためのより良いインターネットのための欧州新戦略(BIK+)」のもと、また「デジタル教育行動計画(2021-2027年)」 「欧州民主化行動計画」の一部として進められているとのこと。

デジタルリテラシーに関する教育時における、教育者向けのガイドライン

例えば偽情報を確認する観点として「ファクトチェックとは何か?」「多角的に情報を理解するには?」「偽情報の倫理性」、また偽情報に出くわした際に何を確認すべきか等のコンテンツが盛り込まれています。

 

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【EU】2023年を「デジタルスキル向上の年」とする取組を開始

欧州委員会(EC)が、2023年を「デジタルスキル向上の年」とする取組を開始したようですね。EUにデジタル人材が不足していることを受け、加盟国のデジタルスキルを底上げするという取り組みのようです。

「European Year of Skills」は直訳すると欧州技能年(?)となり、訳し方に中々困る名称です...。

(press一部和訳)

EUの企業の4分の3以上が、必要なスキルを持つ労働者の確保が困難であると報告している。さらにDigital Economy and Society Index(DESI)によると、成人の10人に4人、欧州で働く3人に1人が基本的なデジタル技術を身につけていないことが分かった。また2021年には既に、建設や医療からエンジニアリング、ITに至るまで28の職種が不足している。技術関連の職業や学問における女性の割合も低く、IT専門家の6人に1人、STEM卒業生の3人に1人が女性であるに過ぎない。

~中略~

欧州技能年の取組にあたって、ECは以下の方法を提案する:

  • 労働力のポテンシャルを最大限に活用し、スキルアップへの投資を拡大する
  • 企業とも協力し、技能が労働市場のニーズに合致していることを確認する
  • 人々の希望とスキルを、特にグリーン・デジタル移行と経済回復のための雇用市場の機会と一致させる。特に女性や若者等より多くの人々を労働市場に向けて活性化させることに重点を置く
  • 学習機会や移動性の強化、資格の承認の促進を含め、EUが必要とする技能を持った人々をEU外からもから引き寄せる

国レベルでの関連活動の調整を確実に進めるため、欧州委員会は加盟国に対し、欧州技能年の国別コーディネーターを任命するよう要請する。

 

また既にEUが進めている他の基盤となる取組は以下の通り:

資金提供や技術支援プログラムは以下の通り:

 

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【EU】EUにおける行政デジタル化のトレンドに関するホワイトペーパーを公開

欧州委員会(EC)が、これまでのEUにおける行政デジタル化のトレンドに関するホワイトペーパーを公開したようですね。

結論の中で、公共分野に参入できていない技術について、その原因は公共調達に制限があること、法的規制が欠如していることにある(そのため中央政府が積極的にスタートアップとのコラボレーションを進める必要がある)と述べられていました。

EUにおける行政デジタル化のトレンドに関するホワイトペーパー

(press一部和訳)

コロナかに入りGovTechはますます台頭するようになったが、今後政府業務にどのように影響をもたらすかは未知の世界である。

そこで本ペーパーでは、GovTechを形成する関係者やトレンドを把握し、GovTechが作り上げるエコシステムの概要を読者に提供する。また現在GovTechが担う役割、将来的な可能性について論じる。

これによりGovTechの認知度と可視性を高め、この分野の将来の成長に貢献することを目的とする。

 

(目次と簡単な概要)

  1. 2020年までのGovTechの歩み
    1. GovTechの核心に迫る:GovTech関連の用語解説、業界の動向等
    2. 国からみたGovTech:EU各国における行政サービスオンライン化の進捗度合い、政策の流れ、国連電子政府調査2018を元にした考察等
    3. 公共部門のイノベーションを促進するためのEUの役割
      1. 2015年以降におけるEUの役割:歴史の振り返り
      2. デジタルヨーロッパプログラムの進むべき道:プログラムの概要、予算規模等
  2. GovTech スタートアップエコシステムの現在のトレンド
    1. 公共部門を革新する重要な原動力としての最新技術:AIやサイバーセキュリティ等各技術の公共分野における最新動向
    2. success driverの定義:成功事例の紹介
  3. ヨーロッパにおけるGovTechスタートアップの歩み
    1. 基準及びデータソースの特定:GovTechスタートアップの本ペーパー内での定義
    2. 公共分野からの観点:公共分野(モビリティ、ヘルスケア等)毎のスタートアップの参入割合
    3. 技術的観点:技術(AI、IoT、RPA等)毎のスタートアップの参入割合

 

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【イギリス】【アメリカ】技術とデータについて対話する会議を開催

イギリス政府・アメリカ政府が、技術とデータに関して包括的に対話する会議を開催したようですね。

これは2021年6月に、バイデン大統領とジョンソン首相(当時)が構築した技術パートナーシップに基づくものだそうです。

 

イギリス アメリカ データ

 

 

(声明の一部和訳)

1.米英技術パートナーシップ

私達は、共同研究・イノベーション・投資を通じて多くの強みを享受しているが、同時にテクノロジーによって可能となる我々の安全及び安全に対する共通の脅威にも直面している。私達は、他のパートナーやステークホルダーと協力することによってのみ、自分達の価値観に沿った技術的進歩の利点を十分に享受することができる。

上記を踏まえ、米英両国は技術パートナーシップを締結した。このもとにおいて、以下のような進展があった。

  • 国境を越えたデータの流れを相互運用可能にする枠組みの促進、プライバシー強化のための技術を含む、データ・イノベーションのための支援
  • 半導体に関する協力の深化、特にサプライチェーン脆弱性への対処
  • 電気通信サプライチェーンの多様性に関するより深い協力
  • AIがもたらすリスクに対処し、AI研究開発協力宣言を実現するための取組
  • 量子情報科学技術における緊密な協力のための共同声明に基づく計画策定

このような強固な基盤のもと、共同努力をさらに進めるために「技術とデータに関する包括的対話」を開始する。

この中では、(1)データ(2)重要かつ新たな技術(3)安全かつ強靭なデジタルインフラ に焦点を当てる。

 

2.国境を越えたデータの流れ

両国は、二国間および世界的に相互運用可能な国境を越えたデータの流れの改善による利益を促進・実現する方法についての議論を加速・拡大させてきた。

また英国は『EU米国データ・プライバシー枠組み」の実施に関する大統領令』を歓迎し、これに盛り込まれた措置の評価の完了に向け早急に取り組むようにする。これにより、二国間のデータ流通がさらにスムーズになる。

 

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