主に2024/2/10~2/16で目を付けた海外デジタル政策をまとめました。
英国
責任あるAIの開発を支援する保証技術とその使い方に関するガイドブックを公表
- DSIT(科学技術イノベーション庁)
- 2024/1/29 press
- Introduction to AI assurance
- 本ガイドは、責任あるAIの開発を進める組織を支援するために、AIの保証技術の概要とその使用方法を、実務者向けにまとめたものです。
- 以下で構成されています。
- 状況に応じたAI保証:AI保証が必要な背景、責任あるAI原則など概念的な基盤の紹介
- AI保証ツールキット:AI保証の主要な概念、組織内でAI保証を実践する方法とメカニズム
- AI保証の実践:AI 保証の組み込みを検討している組織が実行できる主要なアクションの概要
データとITシステムに係る問題が政府間連携を妨げると議会報告書で問題提起
- UK Parliament - Public Accounts Committee(英国議会 - 公会計委員会)
- 2024/2/13 Effective cross-government working must be more than a ‘nice to have’, PAC urges
- Report Twelfth Report of Session 2023–24
- 「質の高いデータの欠如」と「相互連携性の低いITシステム」は政府間の連携強化に関する取り組みを妨げている、と公会計委員会(PAC)の議会報告書で問題提起しました。
- 同報告書によると、2022年の部門担当者229名を対象とした調査において、63%が技術的課題によりデータの効果的な共有が困難と回答、また62%が部門におけるデータ共有意欲の低さがその障壁となっていると回答しました。計画策定と施策実施を阻む組織構造と官僚主義、優先事項の誤った認識、ベストプラクティス共有の準備が不十分、などが課題の背景として挙げられています。
- 上記結果を受けた、財務省と内閣府に対しする推奨事項も示しています。
AI Opportunity Forum第1回会議を開催
- DSIT
- 2024/2/15 press AI Opportunity Forum holds first meeting
- 2024/1/25 press Business and tech heavyweights to boost productivity through AI
- 英国の民間企業でAIの導入を促進するAI Opportunity Forumが2024/1/25に設立されました。本フォーラムは、GoogleなどAI企業のリーダーがメンバーとなっています。
- 英国の民間企業におけるAIスキル、テクノロジーのガバナンス、リスク管理に焦点が当てられています。
- 設立背景:ビジネスにおけるAIの重要性は広く認識されている一方、その展開の具体的な準備ができている組織は10 分の1です。フォーラムはこの問題に正面から取り組み、ベスト プラクティスを共有し、組織のAIへの対応力向上のための対策を特定します。
- 次回は4,6月に行われる予定です。
米国
米国TMFがAI導入プロジェクトの提案を政府機関から募集
- GSA - TMF(Technology Modernization Fund;技術近代化基金)
- 2024/2/9 press Technology Modernization Fund seeking proposals for Artificial Intelligence projects
- Call for AI proposals
- ※TMFは、GSA(一般調達局)のもと、政府サービスのデジタル化に向け投資をする組織です
- 昨年署名されたAIに関する大統領令の中では、政府全体のAI利活用促進が掲げられており、TMFに資金提供するよう求めました。その一環として、今回TMFは、投資可能性のあるAIプロジェクトの提案を政府機関から募集しています。※ここでいうAIは、生成AIに限っていません
- 条件は、具体的なAIのユースケースに基づくもの、18か月以内であること、費用が600万米ドル以下であることを求めています。
政府Webサイトのベストプラクティストップ10を発表
- Digital.gov
- 2024/2/9 Timeless top 10 best practices for great government websites
- Digital.govは2024/2/14で設立10周年を迎えます。以前同組織はWebContent.govと呼ばれており、2000年代半ば政府Webサイトのベストプラクティストップ10を発表したそうです。そこで、今回その変遷を公表することにしたそうです。下記の点について、考え方の変化が綴られています。
AIの支援を受けた発明の特許性に関するガイダンスをUSPTOが公表
- USPTO(特許商標庁)
- 2024/2/12 USPTO issues inventorship guidance and examples for AI-assisted inventions
- Inventorship Guidance for AI-Assisted Inventions
- 本ガイダンスは、発明にAIの貢献がある場合、それに人間が十分貢献したかを判断する方法について、審査官と関係者へ指示を提供します。また、人間が発明に多大な貢献をした発明については特許保護を求めることができると記載されています。※AIの支援を得た発明が絶対に特許を受けられないわけではない
- ※日本でも、「AI 時代の知的財産権検討会」において知的財産権に関する議論が進められ、論点が公表されています。
豪
科学に基づいたグローバル量子エコシステム(QUIST)の基本原則を公表
- DISR(Department of Industry, Science and Resources;産業科学資源省)
- 2024/2/13 press Towards a global quantum ecosystem
- Guiding principles for a global quantum ecosystem informed by science
- 豪、英国、米国、日本など13ヵ国は、量子に対する多国間会話(MDQ)の一環として、世界的な量子エコシステムの構築を進めています。この度、MDQがグローバルな量子情報科学技術(QIST)エコシステムの開発をサポートする指針となる基本原則を発表しました。