主に2024/2/1~2/9で目を付けたものをまとめてみました。一部1月中のものも入っています。
英国
GOV.UK Payの満足度調査の結果を公表
- GDS
- 2024/1/29 blog How we are improving GOV.UK Pay with user satisfaction feedback
- 英国では、行政機関の電子決済の共通プラットフォームとしてGOV.UK Pay が2016年から導入されています。本サービスのユーザ満足度調査の2023年版が公表されました。回答対象者は、過去1年以内に1回以上ログインしたユーザ(市民)3444名です。
- 現在、364の行政関係組織が、960サービスを対象にGOV.UK Payを利用していることが分かりました。また、回答者の88%(昨年比+2.7%)がGOV.UK Payに満足していると答えました。とくに、利便性や安全性などの点で評価されているようです。
- 今後の改善点として、口座引落し機能、自動レポート生成機能の追加などが挙げられました(※現在、支払い方法としてはApple PayとGoogle Payが使用できます)。またPayの機能のさらなる周知も求められるとのことです。
量子分野への4500万ポンドの投資を発表
- DSIT(科学技術イノベーション庁)
- 2024/2/5 press Unlocking the potential of quantum: £45 million investment to drive breakthroughs in brain scanners, navigation systems, and quantum computing
- 2033年までに量子対応経済に変革するというビジョンへの取り組みの一環として、英国政府は量子分野への4500万ポンドの投資を発表しました。
- うち3000万ポンドは、最先端のプロトタイプ量子コンピュータの技術開発に活用されます。1500万ポンドは、電力網の最適化、認知症診断の改善など、さまざまな政策分野への活用に向けて使用されます。
- 同記事では、投資対象となるプロジェクトと担当企業のリストも示されています。
- 2023年3月に公表された国家量子戦略では、2024年からの10年間で、量子技術開発への25億ポンドの投資を約束しています。
AI研究への新たな投資およびAIマネジメント戦略の策定予定を公表
- DSIT
- 2024/2/6 press UK signals step change for regulators to strengthen AI leadership
- 英国政府は、2023年3月に策定したAI規制白書の協議回答を公開しました。
- その中で、英国全土9か所へのAI研究拠点の設置、米国とのAIパートナーシップ、規制当局におけるAIの機会とリスクへの対応に対し、1億ポンド以上の新たな投資を公表しました。
- 研究拠点では、通信、医療、金融、教育などの分野におけるAIの機会とリスクを監視する最先端のツールの開発に向けて動きが進んでいます。
- 主要規制当局では、AIの適切な管理に向けた体系的な計画策定に向け既に対応を進めています。政府はこの計画により、英国が競合国よりもAIの進展にAgileに対応し、研究開発を主導することを期待しています。
- 2024年春には、規制当局の活動を支援・指導するための正式な運営委員会が政府内で立ち上げられる予定です。
OfficeforAIがDSITの一部に入り、CDEIがRTAに組織名を変更
- DSIT
- CDEI
- 2024/2/6 press The CDEI is now the Responsible Technology Adoption Unit
- AI局(Office for AI)がDSITのAI政策総局の一部となりました。
- データ倫理イノベーションセンター(Center for Data Ethics and Innovation;CDEI)が組織名をResponsible Technology Adoption Unit (RTA) に変更しました。これは、AIがより広範な分野の業務を対象とするようになったのを受けたものです。
- 英国政府では、今後RTA・AI政策総局・AI安全性研究所が一丸となって英国のAI政策を強化するということです。
Secure by Design原則実装のための政府横断的なアプローチを示したガイダンスを公開
- CDDO
- 2024/2/7 blog Getting started with the Secure by Design approach
- Secure by Design Approach
- Secure by Designは、開発者がソフトウェア設計時にセキュリティ観点から実施すべき点が示されたものです。今回、Secure by Design原則を示すとともに、その達成に向けた実践的な助言を提供するガイダンスを公表しました。ガイダンスでは、「安全なサービス準備」、「セキュリティ状況の理解」などの軸から助言が解説されています。
- Secure by Designの考え方が適切に適用されるために、ソフトウェア開発プロジェクトチームが支出監理の承認プロセスにおいて、同原則を適用している証拠として自己評価を提出する必要があるようです。
英国の科学技術枠組みについて、2023年の進捗を公表
- DSIT
- 2024/2/9 The UK Science and Technology Framework: update on progress (9 February 2024)
- 英国の科学技術枠組み(UK Science and Technology Framework)とは、2030年までに同国が科学技術大国になるためのアプローチを2023年3月に定めたものです。
- この度、本枠組みの2023年の進捗が、月ごとおよび分野ごとに報告されました。ポイントとしては、研究開発への公的支出を過去最高水準にしたこと、科学技術企業の成長のための政策イニシアチブを立ち上げたこと、2023/11に第1回世界AIサミットを主催したことが挙げられています。
米国
米国AI安全性研究所コンソーシアム (AISIC) の設立を公表
- NIST(国立標準技術研究所)
- 2024/2/7 press Biden-Harris Administration Announces First-Ever Consortium Dedicated to AI Safety
- AISIC
- 本組織は、安全で信頼できるAIの開発・導入に向け、AI開発者・ユーザ・学者・政府および業界関係者・市民組織が団結して設立されました。
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2023/10に発令されたAIに関する大統領令で概説された、優先的に実施すべき取り組みの実行を支援するとしています。具体的には、AI開発・導入のための業界標準の進化、潜在的に害を及ぼす可能性のあるAI機能を評価するガイダンスの開発、などです。
カナダ
デジタル人材採用に向けたプラットフォームの立ち上げを発表
- Treasury Board of Canada Secretariat(国家財政委員会事務局)
- 2024/1/29 press Minister Anand announces the launch of the GC Digital Talent Platform to build a strong and diverse digital public service
- GC Digital Talent
- 本プラットフォームは、IT・デジタル人材の行政機関への採用プロセスの簡素化を目的としています。また、取り組みの一環として、政府のニーズにマッチするデジタル人材のリストが政府に提供されるとしています。
- 本取り組みは、2023年4月に発効した「デジタル人材に関する指令」に基づくものです。
OECD
「デジタルガバメントのためのスキル開発-OECD加盟国政府の優良事例のレビュー」公開
- OECD Social, Employment and Migration Working Papers
- 2024/2/7 Developing skills for digital government - A review of good practices across OECD governments
- 本ペーパーでは、デジタルガバメントの推進スキル育成のために行われた優良事例がレビューされるとともに、研修の機会を組織的に提供するさまざまなアプローチが紹介されています。また、コンピテンスフレームワークを通じた関連スキルの特定方法、評価方法に関する洞察も提供されています。
国際会議
日ASEANデジタル大臣会合開催
- ASEAN
- 2024/2/2 press ASEAN Digital Ministers calls for Building Inclusive and Trusted Digital Ecosystem
- 2024/1/30~2/2に、日ASEANデジタル大臣会合がシンガポールで開催されました。第4回である今回のテーマは、「包括的で信頼できるデジタルエコシステムの構築」です。
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会合では、デジタルデバイドの課題感が再認識されるとともに、包括的なデジタルエコシステムの構築は複数の利害関係者の協力が必要であると認識されました。
- 総務省 2024/2/5 報道資料
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日ASEAN間の今後1年間のICT分野における協力・連携施策に関する「日ASEANデジタルワークプラン2024」を提案し、承認されました。具体的には、ASEAN地域における安全、安心、信頼できるAIの普及に向け、2023年に取りまとめた広島AIプロセスの成果の重要性について認識の共有を図るとともに、オープンでセキュアな5GネットワークであるOpen RANの推進の重要性を説明したほか、サイバーセキュリティ分野における能力構築支援の取組等について紹介しました。