英国国防省が、AI戦略を発表したようですね。
序文では、ウクライナ侵攻を受け、最先端技術の進歩を利用することで戦略的優位性を保つ必要があることが書かれています。それを踏まえ、本戦略は同省がどのようにAIを導入・活用し、「AI対応」の組織に変え最先端の能力を提供するか、英国のAI産業とどのように強力なパートナーシップを構築するか、安全・安定・民主的価値を促進するために国際的に協力して世界のAI開発を推進するかについて定めたものとしています。
(要約)
- 章構成:はじめに、「AI Ready」な組織への変革、防衛の優位性のためにAIを迅速かつ大規模に導入・活用、英国の国防・安全保障AIエコシステムの強化、安全保障・安定・民主的価値観を促進するためのグローバルなAI開発の形成、戦略の実施とその先
(press和訳)
私たちのビジョンは、AIに関して世界で最も効果的・効率的・信頼性の高い、影響力のある国防組織になることです。
- 効果的
- 戦闘に勝てる能力と支援機能の提供、および英国の同盟国やAIエコシステムと協力・提携する能力を通じ実現
- 効率的
- 能力の提供、作戦遂行、組織全体の生産性向上を実現するための革新的な技術活用を通じて実現
- 信頼
- 私たちのAIシステムの安全性と信頼性、そして私たちのコアバリューに沿った合法的かつ倫理的なAI利用への明確なコミットメントにより、国民、パートナー、従業員から信頼されることにより実現
- 影響力
- AI技術のグローバルな発展を形成し、AI関連の問題を肯定的に管理し、協力的に働き、模範を示してリードするという点で実現
(内容一部和訳)
目標1:国防を「AI対応」の組織に変える
目標1を達成するための行動:リーダーと労働力を強化、キーとなる人材の採用、政策の課題に対処、デジタル・データ・技術のイネーブラを近代化
目標2:国防の優位性のために規模に応じたAIを導入し、活用する
目標2を達成するための行動:組織形成、体系的な実証実験、国際協力
目標3:英国の防衛・安全保障AIエコシステム強化
目的3を達成するための行動:信頼関係構築、商業的障壁への対処す、ビジネスの成長支援
目標4:安全保障・民主主義の価値を促進するために、グローバルなAIの発展を促進する
目的4を達成するための行動:責任あるグローバルなAI開発を支持する、安全保障と安定を促進する、将来的な安全保障政策を策定する