今回はロボットを使った無人商店について書いていく。
無人商店。その名の通り店員さんはいない。そういう点では今までに紹介した顔認識の店舗などと同じなのだが、ここでは注文したメニューを温かい状態で食べられる。
日本のコンビニでは冷凍食品を温めてはくれないし、お弁当を温めてもらうには店員さんにお願いする必要がある(コミュ障並感)。またコンビニ内で買った食べ物をコンビニ内で食べることができない。
それに対しここでは冷凍食品、お弁当を温かい状態で提供してくれる。しかも店員さんと話す必要がなく、加えてその場で食べることができる。
まず注文の様子。
多彩なメニューがあったが、ここに来たのはお昼ご飯を食べた後だったのでトマトを使ったデザートを注文。ちなみに中国においてトマトはデザート扱いのよう。深圳ではデザートとしてスイカをよく食べるらしいが、横にミニトマトがおいてあることもあった。(デザートというより締めのイメージなのかな)
注文した食べ物が出てくるカウンターで1分くらい待つと、奥から注文した食べ物が解凍された状態で出てきた。
一口味見させてもらったところ、きちんと解凍されていて甘くて美味しかった。
次は片付けについて。片付けの際はテーブルの上にあるボタンを押す。(ここ、後で動画貼ります)
すると、机が動く。
下に落ちていく。
テーブルが水で洗われながら元の位置に戻った。
このアイデア、人がいない中で経営される店舗における「食べた後のゴミの処理を誰がするのか」という課題を見事に解決している。また温めた料理を注文した際に使われる家電は家庭用の物を使っているようであり、コスト削減も実現している。並ばなくても買える、カップラーメンよりかは冷凍食品を温めた物の方が健康的という理由で市民にも普及していったようだ。
次はソフトウェアパーク…の前に、同じ南山区にあるtensent総本部について。
た…高い。高すぎて写真に収まらない。これこそがWeChatという革命サービスを起こした会社である。社員は35000人、そのうち20000人が深圳在住なんだとか。ちなみに上の方に見える茶色の部分にはジムがあるようである。中に入りたかったのだが、顔認証システムにより中に入れるのは社員だけのようである。残念。
ちなみに下にある立方体は、「深圳で革命を起こそう!」みたいな言葉がそれぞれの面に書いてあった。
さてこの高すぎる建物に背を向け、ソフトウェアパークへ向かった。ここはベンチャー企業や大学系のインキュベーションセンターが18棟のビルにおよそ300社も軒を連ねているところである。
またしても写真に入りきらなかった。この中の企業において現在進行形で400のプロジェクトが動いていて、うち150がシリーズAの域に達しているそう。
※シリーズA:投資用語。サービスや商品のリリース、マーケティングが始まった段階。SamsungやSKもここに入っている。
ここだけを観て感じたことではないが、深圳は起業しやすい都市だと強く思った。日本でベンチャーを起こそうと考えると、どうしても一度失敗したら諦めて別の道を探るという手がまだ多い気がする。それに対して深圳では何度も挑戦できる環境があるようである。それをサポートする弁護士事務所もあった。そこは国際特許出願も支援してくれるようだ。またここにある企業、基本的に個人の社内見学はできないそうだが、プロジェクトを出して通った場合中に通してくれる。
そして中を歩いていくと、謎のBOXが。
カラオケBOXである。中国にはこのようなカラオケBOXがスーパーや空港などにあり、ベッドタイムに使うことができる。1曲だけ歌ったりすることも可能。このような形態を実現できたのも、WeChatPayなどの電子決済のおかげである(お金を回収する必要がない)。
長い道を歩いて抜けると、またしても高層ビルが目の前に出現した。
これこそVCビルである。高層階から低層階に向かうにつれ、スタートアップが多くなる。tensentのような大企業のCEOになることを目指してソフトウェアパークの中で頑張っていく、そんな雰囲気が感じられる場所だった。
余談だが、tensentなどの大企業のエンジニアは1日の就業時間が10時間を優に超えるらしい。まず家に帰れない、労基もへったくれもない世界である。そういう環境で修行を積んだ方はその後、ベンチャーのCEOや他ファームの上層部として働く人が多いとのことである。