海外デジタル政策ログ

海外のデジタル政策を気まぐれに観察するブログです。元「丸の内OLの気まぐれGovTech日記」です。

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【深圳IoTツアー】無人ホテル、シェアカー、交通事情

無人ホテルについて。郊外の閑散としたエリアに佇む謎の建物。これこそ無人ホテル。

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無人ホテル。智慧=スマート、という意味。

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このミニプログラムをダウンロードして、予約や宿泊中の情報管理を行う。

WeChatの中の「leyeju」というミニプログラムという機能をQRコードで入れておく。

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ミニプログラムから送られてくる暗証番号を入力すると中へ入れる

ミニプログラムで宿泊予約をすると、暗証番号が送られてくる。それをホテルのエントランスにあるこの機械へ入力すると中へ入れる。

vimeo.com

中へ入ると、まず顔認識の機械がある。ここで、宿泊者がWeChatアカウントに登録されている本人かどうかを確認する。顔が映るので動画は載せられないが、正面から見た顔だけでなく横顔、口を開けた顔や上目遣いの顔などをするように機械から指示されるのでいう通りにする。

 

vimeo.com

それが完了すると、案内ロボットが部屋まで運んでくれる。このロボットに私の心は完全に掌握された。何というか、お散歩中の柴犬のプリプリしたおしりが思い浮かぶ…可愛すぎる、飼いたい。日本へ連れて帰りたい。

 

より詳しい説明は同行していただいたムラさんの説明がとても分かりやすいので、読んでみてほしい。

whitehole.asia

説明にもあるように、このホテルはディープラーニングを得意とするIT企業の新規事業部が運営している。そのため宿泊者のテレビ視聴時間や滞在時間、空調設定までデータ化することによって、次に宿泊するときにより快適な空間を作り出すことも可能だそう。 今後は、欲しいものをロボットに持って来させる等の連泊者向けサービスを始めるようである。

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シェアモバイルバッテリー

また各階の入口にはシェアモバイルバッテリーがあった。これは飲食店等に必ず置いてあるそう。初回利用時にデポジットとしておよそ1台分の価格をとられるが、その後は無料で利用できる。

余談だが街中にはシェアモバイルバッテリーだけでなく多くの充電プラグがあった。無論、これまで書いた記事からだけでもスマホのバッテリー消費が如何に恐怖であるか分かるであろう。話を聞くに、スマホ決済が始まった時は街中で充電ができず、モバイルバッテリーが必須だったそう(当たり前)。それを商業化して金にするというビジネスモデルが生まれるのはごく自然とも考えられる。

 

次にシェアカーについて説明したいのだが、話を聞くことに集中しすぎて残念ながら良い写真が無いのでそちらについても参考となるリンクを載せておく。 

whitehole.asia

補足として、返す時は市内の決められたポイントに返すらしいがそのポイントもアプリですぐに探すことができる。

旅先で車をレンタルする日本のサービスは欠点として割高であることが挙げられるが、それを見事に解消している。ちなみに深圳でタクシーに乗るより安い。また使いたいタイミングで使うことができるという点が大きなメリットであろう。

 

車繋がりで、深圳の車のEV化について記録していこうと思う。深圳においてバス95%、タクシー60%が既にEV化されている。そのお陰か街を歩いていてもバスが走る音をうるさいと感じたことは殆どなかったし、乗った感じもかなり静かだった。ここまで進んだ理由として国のサポートが大きいことが挙げられるようである。

ただ一般車のEV化ははまだ1割程度であるそう。その原因として、ナンバープレートを取得するためにかかる費用が高額であることが挙げられる。具体的にいうと国産のEV車はおよそ100~160万円だがナンバープレート取得にも同じくらいの費用がかかる。国から補助金は出るようだが、それでも市民からしたら簡単に手が出るものではないらしい。

ちなみにEV車はナンバープレートが緑、ハイブリッド車は青などと分かれている。またEV車に必要な充電スタンドはスーパーやマンションの地下に沢山あり、その場所はアプリで確認できるようである。

 

車繋がりでもう1つ。タクシーを利用したときに感じたこととして、車速が爆速ということがあった。一応交通規制というものは存在するようだが、当たり前に破られている。例えばバイパスを通った時の最高速度が100km/hだった。

深圳ではスピード違反をした車をパトカーが追いかけるということはしない。代わりに、道にカメラがついていて常に違反を監視している。それに引っ掛かった車のWeChatアカウントに、後日警察から連絡が来て規定の額が引き落とされるという仕組みである。

しかし便利なことに、スピード違反を監視する監視カメラの位置をお知らせしてくれるアプリがWeChatに存在する。カメラの位置に近づいたら少し速度を落とすことで違反を逃れることができてしまうのが面白い(?)ところだ。

また追突事故が起きないかを心配される方もいるかもしれないが、起きない。なぜかというと、皆さん超速運転だからである。高速道路でタラタラ運転するのが危ないのと同じ原理である。信号が少ないということも関係してそう。

 

余談だが、タクシードライバーのプロフィールとQRコードが車内に掲示されており、客はそれを読み取って評価する。ドライバーの給料はそれによって大きく左右されるようである。