海外デジタル政策ログ

海外のデジタル政策を気まぐれに観察するブログです。元「丸の内OLの気まぐれGovTech日記」です。

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【深圳IoTツアー】電気街、無人コンビニ(WeChat決済&顔認識決済)

ツアー予定表は以下のようになっていた。

深圳 深セン

ツアー予定表

ツアーが始まってからすぐに、深圳がどのように発展したかを説明していただいたのでメモとして残しておく。

元々深圳の地は40年前、漁村であった。つまり歴史がなかった。しかし鄧小平(とうしょうへい)の貢献により、かなり早い段階で経済特区になった。そのため鄧小平は神のように崇められている。街中にも鄧小平の大きな看板があるのだが、年がら年中メンテナンスされているようで常に綺麗な状態に保たれていた。

 

そして無人駐車場に着いた。

日本では駐車場に入る際、ゲートで駐車券を受け取る。そして出るときに駐車券を提示し、精算するシステムである。しかし深圳ではこの流れがすべて自動化されている。

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無人駐車場の入場ゲート

入場時、下の蓋が付いている部分の下にあるセンサが車のナンバーを読み取り、所有者のWeChatアカウントに情報が記録される。出るときも同様にしてナンバーを読み取ってWeChatアカウントに情報が記録される。そしてWeChatPayにより自動精算される。という仕組みである。

ちなみに入場と出場のゲートの間には一応係の方待機してがいて、稀にくるナンバー未取得車の対応を行っている。この時に同行者と話したことは、何事に関してもシステムの完全自動化は難しいということである。

この駐車場管理システムもそうだが、想定されていないエラーの種類は多様である。それらを無理に完全自動化するよりもその他大多数の過程を高速処理する目的でシステムを取り入れ、その上でエラー処理をマンパワーに任せるのが効率化の正しい形なのではないかとここでは思った。

 

次に秋葉原の数倍の規模を誇る電気街へ行った。

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電気街の象徴

このオブジェは一面LEDになっており、夜になると美しく光る仕様である。

そしてこのエリアは道幅がとても広い為とても1日ではまわりきることができないのだが、スマホのキャリアのエリア、電子部品のエリア、など特定のカテゴリが特定エリアにまとまっている。よって目的を持って足を運べば十分満足できる。

またこの電気街、秋葉原よりも街の治安が断然良い。歩いていてメイドの格好をした女の子にぼったくりカフェに誘われるなんてことはまず無い。

 

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電気街にある高層ビル。電子掲示板が龍が如くっぽい

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スマホの部品が1日で揃えられる

 

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ロボットがたくさん売られている

かの有名な○ッパーもどきも売られていた。

 

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3Dプリンタ

 

 

 

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電動キックボード

電動キックボード、電動一輪車が2万円程度でたくさん売られていた。深圳ではこんな感じの乗り物が流行っていて道端や道路を普通に走っている。AirPodsをしてスマホをいじりながら爆速でキックボードを走らせている危ない人もちらほらいた。

また右側に映っているように、どの店にもQRコードが貼られていた。というかどの方向を向いてもQRコードだらけで、目が慣れるのに時間がかかるほどであった。

 

 

 

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Remaxの店舗

Remaxの店舗。深圳では、Remaxのロゴは品質保証の印である。中国の方々は海外で自国の製品を「中国製…」と揶揄されている現実を払拭しようと努力しているが、この取り組みがその1つである。また、商標登録にも力を入れているそう。

またこの店舗内は並べ方やパッケージ材料にも工夫が凝らされていた。日本との大きな違いは、アイデアベースの商品がとても多かったことである。

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oppoの店舗。右隣にはHuawei店舗が見える

スマホメーカーのoppo

oppoスマホはフルディスプレイで、iPhoneの画面上の黒い出っ張りがない。「じゃあどうやって自撮りするのか」と聞かれそうだが、自撮りモードにすると本体がスライドできるようになりカメラを出現させることができるのである。しかも本体はかなり薄い。その中で上述の機能を実現し、スタイリッシュなモデルを作っている。

またoppoランボルギーニとコラボしたFind Xを発売している。本体の裏にランボルギーニと刻示されていてカッコいいので興味のある方は調べてみてほしい。

店舗内もごちゃごちゃしておらず、かなりスッキリしていた。これから記載する店の中にもちらほらあるが、割とAppleを真似ているところが多いらしい。店舗はスペースをかなり広く使う、箱は真っ白、など。

 

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メイソウ

メイソウ。

ユニクロのようなロゴ、無印のような商品。モロパクリでは、と思われても仕方の無いビジュアルである。メイソウは元々銀座本社と謳いながら銀座に本社はなかった。つまり実態がなかった。しかしそこから成功し、現在は本当に銀座に本社を構えているらしい。嘘から大きくしたモデルの成功例といえる。

 

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電子決済を用いた無人コンビニ

 QRコード決済を使った無人コンビニ

 

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QRを読み込むと個人が特定されドアが開く。閉めると決済される。


このようにしてQRコードをWeChatスキャンすると、扉がカチッと開く。飲み物がある台が重量センサになっており、飲み物を取り出すと何を買ったかがわかるという仕組みである。

ここで、「飲み物と同じ重さの何かを置いたら買ったことにならないのではないか?」と聞いてみたところ「やろうと思えばできるかもしれないけれど、そういうことをする市民はほとんどいないほど治安が安定している」とのこと。それが納得できるほどの治安の良さだった。

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顔認識決済を使った無人コンビニ


 顔認識を使った決済を使った無人コンビニ

 

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入口。ここで顔認識を行い、登録済の顔と一致すれば入場できる。

店舗内に入るには元々登録されていた顔と一致させることが必要(外国人は顔登録できない)。ここで、深圳で使われている顔認識の精度はあえて80%程度にしているらしい。その為同じ人でもたまに一致しないことがある。例えば化粧を濃くすると再度認識を求められたりはするようである。

また新幹線の入場ゲートにおける顔認証はかなり厳しいらしい。これは防犯上の理由のようである。例えば防犯カメラで犯罪を犯した人を見つける際、80%の精度にすることで犯人の候補をいくつかあげる。その上であとは人力で1人に絞る方が効率が良い、とことである。

ちなみに顔を認識して開いたドアは、続けて他の人が入れないように速攻で閉まるようになっている。

 

深圳 深セン

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店内の様子。全ての商品にタグが付いている。

vimeo.com

(説明してくださったのはツアー主催者の方です)

このシステムはRFIDを応用している。画面右上に顔認識をする画面があり、それによって一瞬で決済が完了し、出口ドアが開く。店員は2人いて、商品にタグを貼ったり商品の補充をしたりする作業をしていた。

顔認識の展望として、現状カメラが2Dなので3Dを導入することが挙げられるらしい。ちなみにこのコンビニを作ったSunStoreという会社はこのコンビニの真裏にあった。顔認識技術は近々、地下鉄の決済にも応用される予定のようである。